COLUMN
健康コラム

身近な漢方 ~その5~ 菊(キク)

2024/10/15

 菊香る秋、千光寺公園の菊人形がなくなって少し淋しい今秋ですが、恒例の菊花展は行われるようです。

 薬用には花を用い、生薬名を菊花(キクカ)と言います。

古典には「久服すれば血気を利し身を軽くし老に耐え年を延ばす。」とあります。菊花を配合した漢方薬には、老人性のかすみ目などに用いる杞菊地黄丸(コギクジオウガン)や神経質で頭痛や目の充血などを伴う高血圧に用いる釣藤散(チョウトウサン)があります。血圧を下げ動脈硬化を予防する働きがあり延命につながるのでしょう。

また、痴呆症に有効との報告もあり、現在注目されています。

 江戸時代には旧暦の9月9日(重陽の節句)に菊酒を飲み栗飯を食べて秋を愛でたそうです。また重陽の日に花を摘み、陰干しにして枕に詰めて菊枕として用いたとの事です。

菊の香りがほのかに匂ってさぞよい夢が見れたでしょう。

 

 ~明日よりは病忘れて菊枕~      虚子

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