身近な漢方薬 ~その4~ 山椒(サンショウ)
土用の丑(ウシ)の日に食べる鰻に山椒は欠かせません。中国の四川省は昔蜀と呼ばれていたため、そこで摂れる山椒を蜀椒と言います。四川省料理には蜀椒を使ったものが多く、麻婆豆腐はその代表です。
山椒はピリ辛く体を温める作用があるので寒さの厳しい四川省では重宝されています。この身体内部より温める作用を利用した漢方薬に大建中湯(ダイケンチュウトウ)があります。
構成生薬は山椒をはじめ朝鮮人参、乾姜(干したショウガ)と飴です。
いずれの生薬も体を温める作用があり、飴は糖質でエネルギーの補給に役立ちます。
大建中湯は夏に冷たい物を食べ過ぎて、おなかがゴロゴロ鳴る時、おなかが冷えて便秘や下痢をくり返す過敏性腸症候群、腹部の外科手術後の腸閉塞の予防と広範に使われます。
中華スープのような単純な内容ですが、切れ味は抜群です。
山椒は小粒でピリリと辛い イチロー頑張れ!