COLUMN
健康コラム

糖尿病との闘いの記録 その4 《温故知新》

2024/10/15

中国では糖尿病を「消渇ショウカチ」と呼んだことは述べましたが、わが国で最初に「消渇」の記載があるのは、西暦984年平安時代の鍼博士、丹波康頼の編集した「医心方(イシンポウ)」です。但し、わが国では、「消渇」は淋病の意味に用いられる事もあり、混同されています。
わが国で最初の記録に残っている糖尿病患者は、平安朝の貴族、藤原道長です。彼は四人の娘を天皇の妃とし、生まれた孫も三代続けて天皇になりました。その絶頂期に詠んだのが、「この世をば 我が世とぞ思う望月のかけたることのなしと思えば」という有名な歌です。ところが実際には、道長は当時白内障と糖尿病性網膜症を患っており、望月もうっすらとしか見えなかったのでは、と言われています。

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