COLUMN
健康コラム

糖尿病との闘いの記録 その3 《温故知新》

2024/10/15

印度、中国の次はトルコに飛びます。中央トルコのカッパドキアは、ローマ帝国の属州として古くから栄えた街で、私は行った事はありませんが観光名所のひとつです。紀元一世紀のカッパドキアで生まれたアレタエウスは糖尿病患者について次のように記載しています。「患者は、異常に口が渇き多量の水を飲む。尿の出方は水道を開いたように絶え間がない。患者の肉も四肢も溶けて流れ出す。飲水も多尿も止めることはできないが、それでも、水を飲むのを止めると口は渇き、体は乾燥し、内臓は焦げ付くばかりに感じられる。やがて悪心が起こり、不安と焼けるような渇きに侵されて、まもなく死に至る。」糖尿病の三大症候である、口渇・多飲・多尿についてはっきりと記載され、現代からみてもその正確さに驚かされます。彼が記した惨状は、今世紀初めインスリンが発見されるまで続いていたのです。これまで見てきたように糖尿病は各地で古くから知られていました。次回はいよいよ日本人の登場です。

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