ヒトの遺伝子が次々と解明されています。飢餓に強い、エネルギー倹約型
の遺伝子を持つ日本人は欧米人の3~5倍も多いそうです。
つまり我々は肥満になり易い体質を遺伝的に持っているわけです。
巷にはありとあらゆるダイエット法が氾濫しています。リンゴ、グレープフルーツ、ゆで卵、痩せるお茶、やせる石鹸、クリーム、エステティック、ダイエットテープ等々。しかしながらこれらのダイエット法の中には効果がないばかりか、貧血、肌あれ、脱毛、生理不順、骨粗鬆症、拒食症等の障害を引き起こすこともあり御用心!!
肥満とは過剰な脂肪が体内に蓄積された状態であり、皮下脂肪型(洋ナシ型)と内臓脂肪型(リンゴ型)肥満に分けられます。勿論、内臓脂肪型肥満は、糖尿病、高血圧、高脂血症、痛風などの生活習慣病の原因となりますので放ってはおけません。肥満の解消には食事量を減らして体内脂肪をドンドン消費すればいい訳ですが、極端な減食は筋肉や骨まで減らしてしまうばかりか、長続きせずダイエットを中止すると脂肪ばかりが増えて元よりも重症の肥満になってしまうリバウンドの危険があります。
現在の生活パターンをあまり変えずに無理なく3ヶ月で3~5㎏減量することはそれ程難しくはありません。まず、「オカズ」中心の食事を「ゴハン」を主に変えてみて下さい。ごはん、パン、めん類に含まれるデンプンは複合糖質といって多くの食物繊維を含んでおり、消化に時間がかかるので胃の中に長く留まり満腹感が持続します。しかも糖や脂肪の吸収を抑制しますので無理をしないダイエットの主役と考えて下さい。「ゴハン」と一緒に汁物(野菜のたっぷり入った味噌汁が最高)と一緒に真っ先に食べれば空腹感は少なくなります。その後でゆっくりと少量の「オカズ」を食べ始めます。「オカズ」はなるべく、天プラ、揚げ物、中華料理などの油を使った物は控え、煮たり、ゆでたりの和食の「オカズ」を摂って下さい。肥満の方の殆どは、「ゴハン」をほんのちょっぴり、「オカズ」タップリの食事内容です。脂肪は糖費の1.5倍のカロリーを持っており、脂肪の多い「オカズ」で空腹感を満たそうとするとかなりのカロリーを食べることになります。今の食生活の中で食べる順序を変えるだけで案外効果があるものです。
次もちょっとした工夫ですが、一日一食はある程度おなかが膨れるまで食べてOKです。その代わり他の2食はぐっと控えてみて下さい。3食共我慢のし通しではストレスが溜まって長続きはしません。夕食の団欒の時は少し多目に食べ食欲を満足させましょう。夕食は食べられると思うと、朝昼の少食もあまり気にならないものです。勿論、夕食ではなく朝食でも昼食でもお好きな時に満腹になって構いません。
ダイエットというと、水泳、ジョギングと張り切る人がいますが、無理なく痩せるには長期戦ですから長続きすることが第一条件です。運動の時間をわざわざ作る必要はありません。細切れ時間を利用してとにかく歩くことです。通勤の行き帰りにちょっと遠回りするとか、買い物で売り場をグルグル回るとか日常生活の中でも結構歩くことができます。朝起きてから寝るまでに1万歩を目標にして下さい。
雨の日でも、仲間が居なくても出来るのはウォーキングです。
ウォーキングだけでは上半身の筋力が落ちてしまいます。そこでダンベル体操を1日10分間行って下さい。あまり重くない1㎏のダンベルを2つ用いてダンベル運動を行うと筋肉の維持、増強に役立つばかりでなく、基礎代謝を高めて、安静時での脂肪の消費に効果があります。万歩計とダンベル体操、これなら今すぐ始められます。
個人差がありますが、耳のツボを刺激すると食欲の落ちることがあります。また漢方薬は、便秘気味の人、ムクミ易い人、冷え性、のぼせ症、肩こり、イライラ等の症状をもつ肥満に有効です。是非試してみて下さい。但しこれらは飽くまで補助手段です。食べ養生が一番です。
●新しい筋肉、脂肪、骨の測定機を導入しました。
7月より米国製の、InBody3が入りました。この機械は簡単に、皮下脂肪型か内臓脂肪型の肥満かを見分けることができます。また手、足、体幹の筋肉量、骨量、脂肪量を各々測定することができます。1ヶ月に1回測定することによって、体重の減少が脂肪の減ったためか大切な筋肉や骨が減ったためか判別できますので、安全なダイエットに役立ちます。また月に2回、専門の管理栄養士による個別のダイエット指導も行っていますので、利用して下さい。1人でも多くの方が健康体になられるようサポートいたします。