COLUMN
健康コラム

★東洋医学入門~その5~

2024/10/15

今回は、の話です。

わが国に「気の思想」が導入されたのは、中国から文字がもたらされてからです。
われわれ日本人が、日常使っている言葉の中で、気に関係している物は数多くみられ、「気が利く」「行く気がしない」「気心が知れない」「気位が高い」「殺気を感じる」「天気」「気味が悪い」など、例をあげればきりがありません。しかし、総じて日本語における「気」は先に挙げた様に、雰囲気的な傾向が強い所が有ります。しかし中国での「気の思想」は、実態を伴ったもので、気が人間の体を巡って守っていると言われています。
気には、色々な働きがあり、気の名称は、その主な活動部位と働き方によって異なります。その幾つかを挙げてみます。

原 気
原気とは、食欲、性欲、その他、生きようとする欲求をもたらす気で、生命活動の原動力となる物です。原気は、さい臍下仁田(サイカタンデンと読みます。
おへその下のあたりの事です。)に集まり、そこから全身を巡り、体に活力を与えます。
原気が旺盛であれば、下腹部に張りがあり、体内の臓器、器官も力強く働き、病気にかかり難くなります。しかし、原気が衰えると、下腹部が軟弱となり、臓器、器官も弱く障害を受けやすくなり、疲れ易く、冷えて、病気にかかり易くなります。

宗 気
宗気とは、胸中に集まる気のことを言います。宗気は、肺と心の活動に関係が深く、これらの活動を支えている気です。心の拍動を力強く、規則正しく行わせたり、呼吸や発声をしっかりとさせる気です。宗気が不足すると、呼吸の異常が起こったり、語声に力がなくなったりします。
この様に、気とは我々が病気にかからないように体を守っているものです。この気の巡りが悪くなると、病気にかかりやすくなります。目には見えない物ですが、体を巡って、生命活動を助けています。

鍼灸師 村田 雅文

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