今回は、鍼(ハリ)のお話です。
現在の鍼は、ご存知のように金属で出来ていますが、今から6~7千年前の時代には、 骨を使った骨鍼という代物があり、その他にも竹で作った竹鍼、陶器の破片で作った陶 鍼などがあり、金属で出来た鍼は、紀元前400~200年頃に出来ました。ちょうど 人類が、金属を使い色々な道具を作り出したころで、中国ではいち早く医術の面でそれ を用いました。昔は、鉄の鍼や金、銀で出来た鍼が用いられていましたが、鉄は腐蝕 し易く、曲がり易かったり折れたりし、金や銀の鍼はその材質上、高価なもので沢山使えるものではありませんでした。しかし現在では、ステンレスの鍼が主流となり、こ れは加工もし易くまた技術の進歩で安価になり、現在は、使い捨ての鍼が出来る様に なりました。
鍼の長さは、日本では寸、分で表されます。
一般では多く用いられているのは1寸3分と1寸6分が多いです。メートル法表示に すると、1寸が約3cm、1寸3分が4cm、1寸6分が5cmと なります。
次に鍼の太さについてです。針の太さは一般に使われているものは0.18~0.20mmほ どの物で、髪の毛ほどの太さです。皆様ご存知の、シャープペンシルの芯の太さが0.5mmなのでその細さがお分かりいただけると思います。
鍼の太さにも番号があり、1番細い鍼は、0番で0.14mmです。1番増えるごとに0.02mm増加します。太さの主な使い分けですが細い鍼は、内出血のし易い顔面などに使い、 太い鍼は、筋肉が厚くしっかりとした部分に使います。
今回は一部の鍼のお話をさせて頂きましたが、鍼にはまだ沢山の種類があり治療によっ て様々な使い分けを行います。また機会があれば鍼のお話しさせていただきます。
鍼灸師 村田 雅文